令和7年9月議会決算総括質疑③再々質問を共有します。

一歩一歩では間に合わない。首長ならではの新しい大きな見立てで住民との協働の先進的なまちづくりを求めました。

2025年9月14日

最後に

すべての項目をつなげて総括的に伺います。

 

 いすみ市の子のオーガニック給食にかかる担当は農政部局でそもそも首長のトップダウンで生物多様性の田んぼをCOP10に合わせて作れというもので一人の職員が無農薬の田んぼづくりに農家やNPO法人を説得し、試行錯誤しながらネットワークを作っていったものでした。豊岡市のコウノトリの来る田んぼの専門家の指導を受けいすみブランド米までたどり着きました。結局専門知識のない職員一人で担当したのでやはり二人は欲しかったとしながらどこでもできるはずと説明されています。実はコメだからできたというところがあり、野菜については複雑な流通の課題があり、単品目から取り組んでいるそうです。

 二宮のというよりは日本のグリーンインフラ田んぼですが実は都会に住むやりたい人たちが増えてきています。二宮の団体にもアクセスが続き、関係人口を増やすチャンスです。

 生活環境課は次期環境基本計画に向けて台風10号を受けたボトムアップの千年二宮地球会議という数か月スパンの現場ワークショップの総括のシンポジウムの基調講演いただいた東京大学宮下教授とコミュニケーションをとっています。実は宮下先生の方から生物多様性調査などの指標について専門的な協力はできると提案もあったところです。

 

 町内団体が再生した吾妻山の棚田で気候非常事態宣言のアクションとして宮下先生のワークショップがもたれた際、生物多様性が向上するポイントについて住民から質問が出ました。

宮下教授は「このような田んぼが広域でネットワークのように点在し生物が行き来できることが重要」といわれていました。

 

 国内の流域治水のメッカは鶴見川流域治水であり、行政、企業、学校、団体、住民協働の鶴見川流域ネットワーク代表の岸氏は実は私の生まれ故郷である港北区綱島で子ども時代を過ごされました。まさに私と同じ原風景を持たれていて吾妻山の半分の高さの丘陵が複数あり、山林、鶴見川、田んぼ、農地が広がり、空き地も含めまさに天国のような生物多様性ネットワークが広がるランドスケープで生き物である子どもたちは探検と狩猟によるあそびを謳歌しました。

岸氏が言うには小学校高学年から中学生の間に脳の中に地べたを面的に探索することで得た体感の地図ができると。これが生涯にわたる体感による世界認識の基礎になると。

 私が最初に議員になったときにこの議場で申し上げたこと。それは心と体が一つになって遊ぶこどもにとって最も大切な遊びがここ数十年で失われたことでした。たった今子ども家庭庁では子どもの遊びについて研究が進められています。

 二宮町の教育委員会主催の教育講演会は、教員、保護者、地域、当事者がともに学ぶ場として質の高い先進的な内容が啓発されてきました。

 しかしながらいまだに研究会の言う「人と人とが つながる力」「地域への関心や関わり」「国際的視野」「多様性の相互理解」等に課題が見られることは残念です。町内で行われてきた環境にかかるダイナミックなワークショップと世界的な学者と勧めてきたこれまでの貴重な協働のシンポジウムが学校とつながれたらどれだけよかったかと心から思わずにいられません。

 今年の教育講演会は「生成AI時代におけることばのちから、思考力、学力」というタイトルで開催されました。

講師の今井むつみ氏は、認知心理学という先進の学究で昨年の「何回説明しても伝わらない」という書籍で非常に注目されています。認知にかかる記号設置という重要な考えが中心になっています。

 つまり言葉は膨大な事象の記号でしかなくそれが認識の土台である体に落ちることつまり設地、地面に落ちなければ理解したとは言えないという観点です。

 今井博士は赤ちゃんの研究に長らく携わったことでこの理論に至りました。赤ちゃんは生まれてからずっと精力的に探求しながら周りの世界を認識し、言葉を習得し、驚くべき学習能力を発揮する。しかしながら学校に入ったとたんにこんなに格差が生まれるのはなぜかという問いを立てられたのです。

自然の力に注力すること。体で探求し学ぶ生き物の生理の力強さこそ生きる力といえるのではないか

少子化の勢いは恐るべきペースです。

二宮町の出生数は令和6年度は80人で前年度から20人強減ったと聞いています。

 学校統廃合の時期を早めるほどでないという認識を町が持っているようですが、本当にそうでしょうか。

 重要な点は自然からの重大な警報です。なぜ子どもの声を聴くのか子どもから見える景色を皆で思いやり尊重しなければならないか。 子どもは自然なのです。子どもは私たちが学ばなければならないまさに世界という未来を学ぶ学校の先生です。

今井先生の記号設置も社会作業療法も子どもの権利も私たちの社会づくりの教科書であると痛感しています。

 

 まさに記号設置といえる地域資源とつながるSDGsの学びが生きるまちづくり。これを体現する新庁舎周辺のランドスケープ、さらに特に自ら個別最適な記号設置型のバイパス的な学びをつくる必要のある児童生徒のための学びの多様化学校の設置、住民、環境団体、事業者、行政による広域に広がる生態系も生かすオーガニック給食などの施策も含む流域治水ネットワークの学び、実装を社会作業療法的に協働の作戦を立てて実行すること。

このことが地域の新たなコミュニケーションを深め、ひいては減災力につながる。まさに気候市民会議提言書のテーマとなった住民の願い

「循環するまちを、ここから」「地域まるごと学びの場」 「自然界をお手本に 」「庁舎を発信拠点に」

を生かすこと

 これが住民力の二宮のまちづくりを謡う3期目の村田町政に達成いただくべき施策と考えます。

一歩一歩行政ですからといわれるが首長でなければできない仕事がある。

町長のお考えをお聞かせください。