多世代協働の防災文化が息づくまちづくりを求める

2024年3月議会一般質問

2024年6月29日

激甚化する風水害の影響は吾妻山の崩落など起きており、対応策について国策である「がけ地近接等危険住宅移転事業」」「防災安全交付金」の活用等含め質問しました。

前者は県内で厚木が取り組むものの実践事例ないこと、後者について地域独自の提案施策について実例ないが調査検討進めるとの答弁でした。

能登半島の被災住民が「予めリスクを知っておくことが重要」、防災専門家が「初動が何よりも重要。そのための仕組みづくりを進めるべき」といわれたことを踏まえ、地域住民が調べたいという要望に応える仕組み、機能別消防団含め新しい若者参画の仕組みづくり・学校含め地域のコミュニケーション、ネットワークを要望しました.

以下通告した登壇原稿です。

2024年日本は大災害で年明けを迎えた。大地震の予測はすでに喫緊の課題として全国的な情報としていきわたっていたにもかかわらず、衝撃とリアルな現地の物理的困難と目に見えない苦しみ、悲しみが1か月を超えた今もステージを変え現れとどまることがない。

行政職員を減らし続けた国策からも現地の職員は疲弊し、全国自治体から支援が入り、二宮からも消防職員含め20数人の職員が派遣されたと聞いている。職員の尽力をねぎらうと共に当庁の防災に関わる体制が削減されてきていることを危惧するところだ。

そして消防車両や職員の専門家チームが迅速にくまなく大災害の津々浦々の現場をめぐることは困難で現地に入った専門家も地域のその場にいる住民の初期の消火や救出に係る研究が必要といわれていたのが印象に残った。地域の生活現場と庁内の各課が繋がり、普段から多様なコミュニケーションや訓練が生き生きと展開されることが減災につながることも以前から指摘されてきたことだ。

令和5年度は国策として子ども家庭庁が子どもの権利の視点から、子どもたちが自分にとって最も良いことを知ること、子どもたちが参加し意見を言えることなど子どもをパートナーとして尊重する新しい仕組みづくりが推進されることになった。二宮町は先進的に気候非常事態宣言が子どもを真ん中に据えた環境シンポジウム「ぼくたちわたしたちの地球会議」と村田町長の連名で発出された町で子どもの参加はすでに一歩踏み出しているところだ。

発出に向けて子どもから大人までの住民と行政が議論し、CO2削減のみに注力する他の自治体の気候非常事態宣言とは一線を画する、千年続く循環型の風土と生活の仕組みづくりを訴える文面を作った。

 減災文化はレジリエンス(回復力)に向けてもはや新しいフェーズに入っているとの住民の生活実感を感じた。環境と防災は地続きだ。

本年を行政と子どもから高齢者までの住民が繋がり、覚悟をもって取り組む多世代協働の防災の年にしたいと思い、以下の質問をする。

要旨1

8年前に「協働の減災文化が息づくまちづくり」として一般質問を行った。当時取り上げ、要望した以下の項目についてここ数年で進展した内容を確認したい。

① ハザードマップの更新と限界に配慮した具体の身体化された地理的知識、イメージが持てる災害のシミュレーション

② 学校教育と連携した防災・学習体験

③ 消防署周辺の液状化対策

④ 地区長連絡協議会、住民団体、福祉団体、PTA,消防団の連携を促すプラットフォーム

⑤ 消防団員の安全配慮、待遇改善とそうでない住民の後方支援体制

⑥ 福祉と防災の連携

要旨2

① 現在基本設計に係る新庁舎整備は防災に位置付けられている。

新庁舎・公共施設再編計画に生かされるべき防災減災に係る機能の想定を確認する。

② 2020年新庁舎ワークショップの講師である東京大学生産技術研究所加藤孝明教授が筆頭で強調されたのはここ数十年でスリム化して隙間が大きく増えた行政の体制と喫緊の住民との協働体制の構築の必要性であった。建築はまさに人々の行動、生活を大きく動かす仕掛けであり、防災減災の多様な協働が生まれる戦略を盛り込むべきだ。現状の進捗を問う。

③ 新庁舎整備予定地付近の地下水位、液状化調査について

要旨3

ここ数年の町内の災害といえば気候変動に係る大雨をきっかけとする崩落であると認識する。二宮は大磯町と並び、周辺地域よりも起伏の多い土地で津波危険区域よりも面的に多く崩落危険区域が広範囲に分散している。行政は崩落についてHPページを作成し啓発につとめているが何をしたらよいかわからない住民がほとんどではないのか。

イエローゾーンを管理する神奈川県、また国と連携した新たなリスク対策を問う

要旨4

町民力を生かしたまちづくりを担う協働の仕組みとして町民活動推進補助金の在り方を見直すべきではないか。