教育福祉常任委員会視察報告「矢川プラス」

2023年10月、国立市が100%出資する社会福祉法人「くにたち子どもの夢・未来事業団」(理事長汐見稔幸博士)が運営するくにたち未来創造拠点「矢川プラス」を議会教育福祉常任委員会で見学させて頂きました。子どもの権利が町の隅々までいきわたることを目的に建設された幼児教育センターです。

2024年7月13日

二宮の住民団体が企画する一般社団法人こども家族早期発達支援学会会長の星山麻木先生の通年の講座で何度も言及される「連携が生まれる最高の施設!」

との期待を超える本当に安心して子どもと滞在でき地域で子どもと生活する未来を創るための拠り所、たくさんの家族が集まるわくわくと笑顔が満ちる「大きな家」でした。

駐車場のない施設に子育て中の親子がたくさん集っていました。乳母車や、幼児を載せられる自転車がずらりと並びます。育児相談に準備された茶室よりも狭い相談室や多世代向けの会議室でフレイルの講習会、アスレティックと文化的なくつろぎスペース、まさに町のリビング、タイトルは「まちなかの大きな庭と家」。リラックスして語り合い、様々な連携が生まれる施設だそうです。

複数の保育施設が統合するこども園を建建設するにあたり、アカデミックな理念で支えることを検討したことが計画のきっかけだったそうです。

理事長汐見稔幸氏の以下のあいさつ文はまさに二宮町の多様に展開する子どもたちを応援する活動が共通して目指すものに非常に近いです。わが町にもこのような協働の子育てのまちづくり会社が欲しいものです。

ぜひお読みください。

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“幸せに生きたい”という願いは、長い人類の歴史のなかで誰もがずっと持ち続けてきたものです。

その“幸せに生きるための力”を身に着けるため、人間は子どもたちに思いを込めて<育てる>という営みを行ってきました。

これまで人間が幸せに生きるために大事にしてきたことが3つあります。

“体で覚えること”。経験を積むことによって、体にさまざまな文化やワザを刻み込み、それを使いこなしながら文化を創造していきます。

“みんなで考え議論すること”。一人だけでは解決しないことを、みんなでいろいろ話合い、やっと生まれたアイデアや発見と出会った時の感動は、人生のなかでとても大きな感動となります。

“他者と豊かに関わること”。お互いの心が理解できて、豊かな共感の中で、自分の存在価値が生まれ、人間にとっての幸せを感じられるものです。どれだけ豊かに共感できる人間になるかが大事と考えます。

そして、何よりも子どもを真ん中に親子が共感し合い、そして、家庭がいろいろな人や地域と豊かに関わり、幸せを感じながら生きることが大事です。

人間が大事にしてきたこれらの事を、乳幼児期から保育・幼児教育のなかでていねいに身に着けていくことが、生きる力に繋がります。これこそが事業団がこれから取り組む重要なテーマとなります。

国立市は行政の目が行き届く、ほどよい広さのまちで、多様な文化・資質をもつ人たちが孤立する事なく共に暮らせるソーシャル・インクルージョンのまちを目指しています。そして、全ての子どもの幸せ、子ども一人一人がありのままで自分らしく夢に向かって生きることを願い、子育て支援の取り組みを進めています。

幸せな社会をつくることは、平和にも通じることです。

国立の子どもが幸せになってほしい、そのために事業団に何ができるか、何をすべきか。国立市と両輪になって、事業団の取り組みが、子育て支援の中核的な役割を果てしていくことを切に願い、“子どもの夢と未来”に向かって、みなさんと共に考え取り組んでまいります。

社会福祉法人くにたち子どもの夢・未来事業団

理事長 汐見 稔幸