台風10号が突きつけた治山治水施策の喫緊の政策転換を 鶴見川流域治水会議に学ぶ。

2025年1月6日

8月30日台風10号で葛川が溢水し、数十か所の浸水、崩落が発生しました。

幸い人命に及ぶことはありませんでしたが、葛川のこれほどの浸水被害は近年は無く、緊急安全確保を発出したのが二宮町だけであったこと(急激に水量が増したことから警報が遅れ命を守るため)からも全国ニュースで発信されました。

短期間の驚くほどの増水と10数分で大きく溢水、またかつてない規模の小山群の崩落で家屋被害寸前であった民家(地主である事業者が原状復帰の工事中)もあり、危機感が住民の間に広がっています。

短期的にできる減災施策とリスクコミュニケーション、さらに有効な治山治水対策が喫緊で必要です。

県は手つかずの民地山林についても里山保全を地域のNPO等と進められる助成事業を設置、二宮町も一色地域から取り組むとしています。

二宮町では住民の要望で神奈川県平塚河川管理事務所の説明会が3回行われましたが、暫定的工事の説明に終止している状況で時間50ミリを超える豪雨対策には届かず県への質問が相次ぎました。

その中に「もっと面的に、また広域で考えられないか」という住民の指摘がありました。

 環境づくりフォーラムと、NPO法人「農ある暮らしを広める会」は今年度気候市民会議が終了するタイミングで千年にのみや地球会議2024年後期プログラムをゆうちょエココミュニケーション(日本フィランソロピー協会仲介)の助成事業のオープニングとして11月2日に「グリーンインフラ〜気候変動時代の防災・減災」を東京大学吉田丈人先生を講師に学習会を持ちました。

「流域治水」の意味するところと私たちが求めてきた千年のまちづくりのビジョンが全く重なること、そして今まさに国ぐるみで取り組むフェーズであることを理解しました。

先日二宮町出身で日本を代表する地球温暖化対策の専門家である江守正多先生がナビゲーターを務められたNHKドキュメンタリー「気候変動を食い止めろ!」で鶴見川流域ネットワーキングを牽引して川崎、町田市の上流の山林から河口までの流域治水の5000箇所の浸透施設の効果で1982年以降一度も溢水していない実装を築い築いた鶴見川流域ネットワーキング代表である慶応大学名誉教授名誉教授の岸由二先生が登場されました。

 港北区など広域の急激な都市化で雨水が一気に川に流れるようになった。行政と住民、学者事業者が連帯して有効な本来の水が浸透する仕組みである山林の涵養含む生態系グリーンインフラの回復、開発に伴う浸透施設設置条例、新規貯水、遊水施設整備と住民参画等の施策を県も国も動かしながらともに進めてきた。

 国会答弁で首相が「激甚化する風水害対策は流域治水で行う。効果は検証済みである」といわれた通り、実は県の指示で行政単位では秦野市、中井町、二宮町、大磯町でこのところ葛川流域治水会議はもたれていますが,専門家や事業者、住民を巻き込む本来のビジョンは共有されていません。

 千年にのみや地球会議は続いて2025年2月1日に「二宮海岸と葛川の歴史と今」と題する学習会を予定していたため、

葛川のウエイトを大きくして葛川をきれいにする会の「葛川の歴史と環境」、神奈川や国の河川管理機関より「流域治水」について説明をいただくよう準備を進めています。

流域治水の意味するところは雨水、空気中の蒸散すべて、水の循環そのものを見ることであり、山林、里山、市街地、公園、沢、池、河川、海までの大地すべてに係るダイナミックな(微細な)水の流れであり、それを知ることで生態系や生活の質すべてを勘案して最善のグリーン、グレーイインフラの浸透施浸透施設を計画的に多角的に選択、実装することです。

葛川に関しては二宮がけん引し未来への有効有効な治水施策である流域治水会議を推進したいです。